「乾湿メリハリ管理」を成立させる上で、用土の性質を把握することは欠かせません。市販の胡蝶蘭で主流となっている資材は主に「水苔(素焼き鉢との組み合わせ)」と「バークチップ(透明プラスチック鉢との組み合わせ)」の2種類です。これらは通気性と保水性のバランスが根本的に異なります。
水苔植えは保水力に優れ、日本の冬場の乾燥環境下では有利に働く一方、一度給水すると中心部が乾くまで7〜10日以上かかることがあります。表面が乾いて見えても中心部は濡れていることが多いため、指を第一関節まで差し込むか、竹串を挿しておいて抜け出た串の湿り気で乾きを確認する工夫が求められます。一方のバーク植えは通気性と排水性に極めて優れ、過湿による根腐れリスクを大幅に低減できます。その反面、乾燥が非常に早いため、生育期には3〜5日ごとの頻繁な給水が必要になります。
「水苔 植え替え 時期」としては、株の体力が充実し新根が活発に動き出す4月中旬〜6月下旬がベストです。最低室温が安定して18℃以上を保てる時期に行うのが鉄則です。贈答用の3本立ち・5本立ちの大型鉢は、ひとつの化粧鉢の中に個別ポットが詰め込まれているケースがほとんどです。そのまま放置すると通気性が最悪になるため、花が終わったら速やかに解体し、一株ずつ独立した単鉢へ植え替えることが長期生存の秘訣です。