2017年8月2日、あいみょんのメジャー3rdシングルとして世に放たれた『君はロックを聴かない』は、当時の音楽シーンにおいて極めて異質な存在感を放っていた。過激なセンセーショナリズムで注目を集めたメジャーデビュー曲『生きていたんだよな』、続く『愛を伝えたいだとか』のファンキーなグルーヴから一転、本作で提示されたのはどこまでもストレートで泥臭いJ-POPギターサウンドだった。
直後の9月にリリースされた1stフルアルバム『青春のエキサイトメント』において、この楽曲はまさにアルバムの精神的支柱として機能している。フォークや歌謡曲の情緒を骨格に持ちながら、90年代オルタナティブ・ロックの歪んだギターリフを融合させたサウンドスケープは、時代のトレンドであった打ち込み主体のトラップやEDMとは明確に一線を画していた。
派手なギミックを削ぎ落とし、メロディの強度と生々しい言葉の響きだけで勝負する姿勢。それこそが、彼女が掴み取った表現の核であり、のちに日本を代表するシンガーソングライターへと駆け上がる決定打となった。