首都圏のアイススケート環境は長年、構造的な氷上不足に苦しんできました。特に2000年代以降、電力コストの高騰や施設の老朽化、耐震基準の改定に伴い、各地で民間リンクの閉鎖が相次ぎました。船橋市においても、かつて親しまれていたスケートリンクが2008年に営業を終了。地元で腕を磨いていたジュニア選手たちは練習拠点を失い、新横浜や東伏見、遠くは日光や埼玉のリンクへ深夜・早朝に遠征を強いられる過酷な移動生活を余儀なくされていました。
この危機的状況を打開したのが、南船橋駅周辺の再開発計画です。JR京葉線の南船橋駅前という抜群のアクセス性を誇る市有地の有効活用を模索していた船橋市と、隣接する巨大商業施設「ららぽーとTOKYO-BAY」をはじめとするベイエリアの回遊性向上を狙う三井不動産の利害が完全に一致しました。行政が土地を提供し、民間が建設・運営を担うPFI的な役割分担によって、自治体の財政負担を抑えつつ持続可能なスポーツインフラを構築する道筋が切り拓かれました。