森保体制は通算勝率で7割を超える圧倒的なスタッツを叩き出しており、歴代監督の数字を凌駕しています。しかし、この数字の背景にはアジア予選における圧倒的な地力差が影響している点も見逃せません。
日本サッカーが長年直面しているジレンマは、「アジアで引いた相手を崩すポゼッションサッカー」と、「世界の強豪国相手に見せる堅守速攻(リアクションサッカー)」の二面性です。ザッケローニ体制ではアジアを圧倒的な攻撃力で制圧しながらも、2014年ブラジルW杯本大会では自分たちのスタイルに固執して惨敗を喫しました。逆にカタールW杯の森保ジャパンは、ドイツ戦やスペイン戦で極端なローブロックと電撃的なカウンターで勝利をもぎ取った一方、コスタリカ戦のようにブロックを敷かれた相手に対する崩しのアイデア不足を露呈しました。
歴代監督が直面してきた最大の壁は、この「アジアでの戦い方」と「世界トップとの戦い方」の乖離を埋められないことにありました。森保監督が2026年に向けて推し進めるハイプレスとトランジションの高度化は、この積年の課題に対する一つの解答ですが、強豪国が日本を完全に研究・警戒した際、プランBをいかに機能させられるかが長期政権の最終評価を左右することになります。