ポップミュージックの流行サイクルが極端に短くなった現代において、ひとつのアルバム曲が長期間にわたって聴き継がれる現象は稀有です。「115万キロのフィルム」が消費されずに残っているのは、そこにギミックや一過性のバズを超えた誠実な人間賛歌が存在するからに他なりません。
スマートフォンひとつで日常を手軽に記録できる時代だからこそ、「生涯をかけたフィルム」というアナログな温もりを持つ比喩が、かえって鮮烈なリアリティを放ちます。これから先、技術がどれほど進化しようとも、大切な誰かの姿を瞳に焼き付けたいと願う感情の強度は変わりません。この楽曲はこれからも、数多の人生という名の映画のオープニングを彩り続けるはずです。