枕のメンテナンスにおける最大の難関は乾燥工程です。どれほど丁寧に洗浄しても、内部に水分が残存していれば数時間でモラクセラ菌等の雑菌が繁殖し、不快な生乾き臭対策が水泡に帰します。枕は見た目が乾いているように見えても、芯の部分に湿気がこもりやすいため、2日連続で晴天が続くタイミングを見計らって作業を行う必要があります。
天日干しが可能なポリエステル枕でも、直射日光に長時間当て続けると生地が劣化するため、風通しの良い日陰で乾かす陰干しを基本とします。物干し竿に吊るすと重みで中綿が下部に偏るため、平干しネットを使用するか、ハンガーを2本渡してその上に渡す「M字干し」で接地面積を減らし、通気性を最大化させます。
乾燥の途中で、2〜3回ほど両手で枕の側面を軽く叩き、空気を送り込みながら中綿をほぐす作業を挟みます。このひと手間で繊維間に空気層が復活し、ふっくらとしたボリュームが復元されます。なお、アレルギーの原因となるダニ退治については、水洗いだけではダニが繊維にしがみついて生き残るケースがあります。ダニは50度以上の熱で死滅するため、乾燥後に布団乾燥機のダニモードを活用するか、事前に天日干し用の黒い不織布カバーで熱を集めてから洗濯工程に入ると極めて高い効果が得られます。