少子高齢化と過疎化の波は、神流町にも容赦なく押し寄せています。しかし町は座して衰退を待つ道を選びませんでした。2024年から2026年にかけて大きく進展したのが、恐竜化石を産出する全国11の自治体による広域連携プロジェクトです。
福井県勝山市をはじめ、岩手県久慈市、熊本県御船町、福島県いわき市など、日本列島各地の化石産出地が手を結びました。学術標本の相互貸出、合同スタンプラリー、共同研究シンポジウムの開催など、行政の境界を越えたネットワークが形成されています。小さな自治体が単独で観光客を誘致する時代は終わりました。日本の恐竜文化をひとつの巨大なストーリーとして紡ぎ直す試みが進んでいます。
神流町はこの連合体において、「日本初の恐竜足跡発見地」という歴史的アイデンティティを確立しています。山間部の小さな町が持つ固有の価値を、全国規模の文化インフラへと昇華させる試みは、地方創生における極めて先進的なケーススタディといえます。