「私のきんぴらごぼうは牛肉入りです❤完全なるおかずになります!」という工藤さんの言葉通り、この献立のもう一つの主役は間違いなく牛肉を加えた特製きんぴらです。伝統的な和食の献立において、きんぴらごぼうは小鉢に盛られる控えめな副菜としての立ち位置が一般的でした。
しかし、炊き込みご飯に鶏もも肉の軽やかなコクを充てているからこそ、おかずには牛脂の濃厚な甘みと旨味をぶつける。この計算された対比によって、食卓全体の満足度が飛躍的に跳ね上がります。甘辛い醤油ダレで香ばしく炒め合わされた牛肉のコクは、根菜の力強い繊維質と抜群の相性を見せます。
一見すると「ご飯にもおかずにもごぼうを使う」という重なりを敬遠しそうになりますが、炊飯器でふっくらと蒸し煮にされたごぼうと、フライパンで強火で炒め上げられてシャキッとした食感を残すごぼうでは、舌触りも立ち上る香りも全くの別物です。同じ旬の素材を異なる調理法で味わい尽くすという、和食の本質を突いた見事な献立構成といえます。