和田竜の最新作と『のぼうの城』!12年ぶり長編小説への系譜を徹底追跡

和田竜の最新作と『のぼうの城』!12年ぶり長編小説への系譜を徹底追跡

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2007年の単行本刊行当時、歴史・時代小説界隈を激震させたのが『のぼうの城』でした。物語の舞台は天正18年(1590年)、豊臣秀吉による小田原征伐。天下統一を目前にした豊臣軍の中で、石田三成率いる2万の大軍に包囲された武蔵国・忍城(おしじょう)の戦いを鮮烈に描き出しました。

主人公は、成田家の家老でありながら領民から「でくのぼう」を縮めて「のぼう様」と親しまれていた成田長親。知略にも武勇にも優れているようには見えず、どこか頼りない男が、領民や城兵の心を惹きつけて団結させます。三成が得意とした水攻めに対して、長親は突飛極まりない策で打って出ます。城を取り囲む泥水の上に小舟で漕ぎ出し、敵兵の前で田楽踊りを披露するという前代未聞のパフォーマンスにより、戦局を混沌へと巻き込んでいきました。

従来の歴史小説にありがちだった重厚長大な語り口や教訓主義を排し、映画のスクリーンを観ているかのようなスピード感と情景描写を融合させた文体は、普段は時代劇を読まない若い読者層をも一気に獲得しました。第139回直木賞候補に選出され、第29回吉川英治文学新人賞候補にも名を連ねるなど、新人作家のデビュー作としては異例の脚光を浴びることとなりました。

Alexander Ross
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Alexander Ross

Alexander Ross has covered the video game industry for a decade, writing deep dives on game design, esports tournaments, VR developments, and gaming culture.