原宿や表参道の流行がどれほど移り変わろうとも、小原流会館の地下飲食店街に延びる行列だけは変わりません。ふーみんの原点は、斉風瑞が20代で神宮前に開いたわずか数坪の小さな店に遡ります。専門学校で料理の基礎を体系的に学んだプロではなく、母の台所で育まれた家庭の味と、日本人の口に合う引き算の美学がこの店の骨格を築きました。
スープのベースには丁寧にとられた鰹節や昆布の和出汁が用いられ、中華特有の力強さと和食の滋味深さが同居しています。2024年に公開されたドキュメンタリー映画『キッチンから花束を』では、厨房を勇退した斉風瑞の哲学と、厨房を引き継いだ現スタッフたちが紡ぐ日常が克明に記録されました。流行の先端を行くクリエイターから近隣のオフィスワーカーまで、世代を超えて人々を惹きつける理由がここにあります。