『ムコ殿』は、単なる2000年代初頭のヒット作にとどまりません。それは、希代のエンターテイナー・長瀬智也と不世出の名女優・竹内結子が、キャリアの黄金期において互いの才能を火花散るようにぶつけ合って残した奇跡的な文化遺産です。
洗面台に並ぶ二本のハブラシ、家族全員で囲む騒がしい食卓、そして愛する人のために流す涙。劇中歌『ひとりぼっちのハブラシ』の切ない旋律が呼び起こすのは、私たちが日常の中で見失いがちな「誰かと生きることの尊さ」に他なりません。どれほどメディア環境や生活様式が変化しようとも、桜庭裕一郎が命がけで叫んだ愛の言葉は、これからも多くの人々の心を揺さぶり続けるはずです。